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ダイコク電機が「DK-SIS白書2021年版‐2020年データ‐」発表

 ダイコク電機(名古屋市中村区)は78日、「DKSIS白書2021年版‐2020年データ」の刊行記者発表会を開催した。DK-SIS白書は、2004年の創刊から今回で18冊目の発刊となる。DKSISとは、同社が提供する情報戦略システム。現在、遊技機台数で144万台強と市場の約36%のデータを保有し、遊技業界がどのように動いているのかを実績データで見ることができる。

 当日は、常務取締役の大成俊文氏が主催者あいさつに立ち、「変化が激しい業界だからこそ、経営戦略上、過去のデータを参考にすることも重要だと思う。今回の2021年版白書もホール事業者が都度、適切な判断をする上で、必ず役に立てるものと確信している」と自信を窺わせた。

 続き、DKSIS室室長の片瀬宏之氏が、記者発表資料をもとに白書の概要説明を行った。

 冒頭、業界のビッグデータとして存在するSISデータについて、有効データ数に関しては閉店等、市場環境により台数自体は減っているが、SIS台数シェア率は2016年の32.1%から徐々に増加し、2020年度は市場全体(約400万台)の36%のデータ保有台数になっていることに触れた。その後、「DKSIS白書2021年版」の業界キーワードとして「新型コロナウイルスの蔓延により業界規模が集計開始以来最大の減少率となる」「改正規則の経過措置延長と自主規制の改正 旧規則機の設置期限が最長2022年1月までに」「パチンコ業績は下落するも、明るい兆しが見られる」「パチスロ業績は下落、6号機の不振が続く 業績貢献度の高い旧規則機撤去の影響を大きく受ける」との4項目を掲げた。

 2020年の業界規模に関しては、「売上規模・粗利規模ともに27%の下落となった」と報告。20204月から5月にかけて発令された緊急事態宣言によって99%以上のホールが要請に従って休業し、GW商戦も休業となったことが年間の業界規模への影響としては非常に大きかったと説明した。加えて、パチンコ・パチスロ1日・1台あたりのデータでいうと、20%程度の下落だが、GWを含んだ休業が業界規模に大きく影響した結果、27%という数値となったと補足した。

 また2020年は特殊な状況であったことから、今回の2021年度版のSIS白書は、特集記事として新型コロナウイルスによる影響の考察というデータも掲載。「2019年比で2020年の市場規模が4月は約80%減、5月も約60%減、6月以降回復はするも2030%減で推移している」と解説した。

 2016年から20年のパチンコ動向では、アウト・粗利ともに約20%の大幅下落であったと指摘。4円パチンコもパチンコ全体と同様に約20%の大幅下落となったが、粗利の落ち幅は4円パチンコが一番少ない状況。この理由は2019年から20年にかけての時間粗利が50円も上昇していることが要因とし、「せっかく遊タイム機などで好調な4円パチンコに対して、業界としてファンをいじめるという良くない傾向がデータで見て取れる。パチスロで粗利が取れなくなった分、パチンコで粗利確保に動いているという点は注意しなければならないポイントである」と警鐘を鳴らした。

 また2020年度登場機種のタイプ別貢献度評価については、稼動貢献データはほとんどのタイプで良化していると分析。2019年よりは20年の方が新台効果が出ており、これは現在も継続していると伝えた。加えて、「償却達成率(総合貢献)は変わらず1/3を下回っているが、実は2021年は総合貢献を見ると、新台は60%の償却できているなどパチンコは確実に上向きになっている」とし、ハイミドルタイプでも「大工の源さん韋駄天」や「とある魔術の禁書目録」など遊タイム非搭載・搭載にかかわらず良い遊技機が出てきており、入替効果も大きく、今後の期待が持てるのではないかと提言した。

 2016年から20年のパチスロ動向に関しては、「パチスロもアウト・粗利が約20%の大幅下落となっている」ことを報告。20円パチスロについても、パチスロ全体と同様に約20%の大幅下落であるとし、19年末から始まったパチスロの凋落が継続した状況であると指摘。「月間推移データで、コロナ休業明けの6月と比べて12月の方がアウトが低いというデータが出ている。こういったところからも20円パチスロ業績の悪さが見て取れる。年間平均で見ると、アウト・粗利に関してパチンコと同様の数値となっていることからほぼ同じと見えるかもしれないが、時系列的に見ていくと、202012月の段階でパチスロとパチンコは相当の差がついている」と説明した。

 また、20円パチスロのタイプ別動向については、「ATタイプイに関して、落ち幅が非常に大きい」と指摘。アウトでマイナス3699枚、粗利で1749円下がっており、2020年の1台あたりの平均台粗利は2770円となった。「ただ、20ATタイプの202012月の粗利を見ると、1995円と2000円を割るレベルの粗利で動いている。このことからパチスロが非常に厳しい状況にあることがわかる」と補足した。

 一方で、20円のノーマルタイプで平均台粗利が2774円となっているが、業績が良いのは撤去が延びた「5号機のジャグラー」のおかげと指摘。「6号機のノーマルタイプを導入しても業績貢献はしていない。単純にノーマルタイプを入れたらよいと誤解してはいけない」と注意を促した。ただ、2021年に入り、ATタイプも機種によっては良いものも登場してきたことを挙げ、これを期待材料とした。

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