【総会】日遊協第35回通常総会、西村会長が再選

 一般社団法人日本遊技関連事業協会(日遊協、西村拓郎会長)は611日、東京都新宿区のハイアットリージェンシー東京で第35回通常総会を開催した。

 また当日、一般社団法人プリペイドシステム協会(PSA、石田倫敏理事長)、一般社団法人電子認証システム協議会(認証協、越野友春代表理事)の2団体が新規団体加盟した旨、報告されるとともに、任期満了に伴う役員の改選では、西村会長の続投が決まった。

 冒頭のあいさつで西村会長は、日遊協が35周年を迎えることに触れ、第7代会長として、6名の歴代会長の名に恥じないよう、しっかり務めを果たしたいと宣言。また624日に初めて、業界の合同懇親会が開かれることにも触れ、「その際には業界一丸となった未来のビジョン、遊技業界のパーパスというものを発表しようということで、議論を重ねている」と報告。「準備不足のところもあるが、このタイミングで発表し、我々業界団体が一丸となって今後の業界の未来を担っていくんだという心構えを示すとともに、これをブラッシュアップし、より良い業界のパーパスにしていきたい」と意欲を見せた。

 さらに「日遊協とは」に言及。これまでの資料を見返したところ、「日遊協は業界の健全化、近代化、適正化、そして社会的地位の向上に努める業界唯一の横断的組織であり、業界相互の連携を取り、行政当局と協議をし、新時代にふさわしいパチンコ・パチスロ産業の基盤確立のため活動していく」と書かれていると指摘。加えて、資料には「人々の心が和む時と場を提供する娯楽こそ、人間が社会生活を営むために不可欠である。平和な世の中の実現に貢献するものと確信する。ぱちんこ産業の10年後の姿を掲げ、以下のビジョンの下に結集することを誓う。1.企業の地位を確立、2.娯楽の原点を見つめる3.社会貢献・社会活動を充実」と、明確なビジョンが記されており、「この日遊協のビジョンがまさに業界のパーパスに繋がるものではないかと思う」との見解を示した。

 なお総会は、正会員260社のうち、出席98社・委任121社、計219社により成立。西村会長、大久保正博副会長、金光淳用副会長を議長団に選任し、上程された4議案をすべて原案通り承認した。

 当日は、来賓として警察庁保生活安全局保安課の松下和彦課長が講話。今回は極めて簡潔な内容に終始した。

 まず、業界が広告・宣伝のガイドラインを策定し業界内部で不適切な広告・宣伝が行われないようチェックしていく取り組みを進めていること、またギャンブル等依存の問題が改めて取り沙汰される中でギャンブル等依存症対策推進基本計画に基づく取り組みを着実に進めていることを挙げ、「こうした業界の自主的な取り組みが機能することで、業界全体としての健全性が高まり、業界に対する世間のイメージが高まることにつながるものと考えている。また、このことは、これまで業界に対する世間のイメージから生じていた様々な課題の解決にも寄与するのではないかと考えている」と評価。
 一方で、のめり込み・依存の問題について、世間の目が大変厳しくなっていることに触れ、「パチンコへののめり込み・依存による生活の崩壊といったことがクローズアップされれば、さらに厳しい対応を求められることになる」と警鐘を鳴らし、「各企業・店舗の責任として、外部から求められる前に取り組む必要がある」と指摘。「同問題で困っている人やその家族の相談に寄り添い、早い段階で対応し、深刻な依存を出さないといった実質的な取り組みが求められる。こうした取り組みを進めている各企業・店舗ほど、競争上優位に立てるという状況になることが理想」との見解を示した。
 また、「自主的な取り組みが機能すれば、そもそも行政としても厳しい対応を取る必要はなく、業界への信用も高まることで、それを前提として、行政として業界の意見・要望への対応を検討することができる」と述べ、こうした好循環の流れを継続していくことに期待した。

 なお、総会後に開かれた懇親会では、日本遊技機工業組合(日工組)の榎本善紀理事長が加盟団体を代表してあいさつ。「パチンコをもっと元気にしていかなければならないなか、スマパチも今夏から年末に向けてギアを上げていく。それだけでファンが増えて活気づくかといえば、そうではない。若者の価値観の変化や、目まぐるしい時代の変化に応じた対策が必要になる。そういう中で今回、機械だけでなく環境を変えていこうと専用景品の実現に至った。これはほんの1つのことだが、職域を問わず皆で業況を切り拓く大きな第一歩だと考える」と持論を展開。「機械を良くしていく努力と同時に、KIBUN-PACHI-PACHIを筆頭にファン拡大に向けたリアルな施策に積極的にチャレンジするなど、顧客を増やせる仕組みづくり、環境づくりを推進していきたい。そのためにも、業界が一丸となる必要がある」と訴えた。

(ヘッダー写真)西村拓郎会長
(フッター写真)左から、松下和彦警察庁保生活安全局保安課課長、榎本善紀日工組理事長

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