一般社団法人日本遊技関連事業協会(日遊協、西村拓郎会長)は3月13日、「2024年 パチンコ・パチスロファンアンケート調査(ホール来店客調査)」の概要を発表した。
この調査は、今後の業界発展に資することを目的に、パチンコ・パチスロファンの特性、プレー実態、ニーズ等とその動向変化を把握するための定点観測調査として実施。また、依存問題への対応や、業界の行うさまざまな社会貢献活動・広告活動へのファンの認知度や評価について調査分析し、業界対応の今後のあるべき方向性を探ることとしている。
調査は2007年から毎年実施しており、今回は昨年11月13日~12月16日の期間に、全国の会員ホールおよびMIRAIぱちんこ産業連盟協力による加盟ホールなど17社・527店舗で調査を実施。ホール所有のタブレットを使用しWEBアンケート画面に来店客が回答する形で行った。なお1店舗あたり20人の調査により2515人の回答を集計・分析した。
同レポートの<エグゼクティブサマリー>は以下の通り。
◆パチンコ・パチスロに対する意識と実態
《1日あたりの遊技時間》※前年からの大きな傾向差はない
2023年度と比較して、遊技時間を「いつも(毎回)決めている」人は僅かに減少。1日あたりの遊技時間に関しては、2023年度と比較し平日は「1時間以上3時間未満」~「3時間以上5時間未満」、休日は「5時間以上」が僅かに増加している。
《1日あたりの平均使用金額》
1日あたりの平均使用金額は「1万~3万円未満」が35.9%で最も高い。1日あたりの平均使用金額の平均値は3年連続で増加。過去6年間で最も高い。
《ホールへ行く頻度の前年比較》
前年度よりも頻度が僅かに減少。頻度が増えた理由では「余暇時間が増えたから」が最も高く、「顔なじみ・話し相手がいるから」が続く(2年連続同傾向)。「顔なじみ・話し相手がいるから」は、3年連続で割合が増加している。頻度が減った理由では「勝てなくなったから」が最も高く、「お金の余裕がなくなったから」が続く(2年連続同傾向)。「パチンコ・パチスロが以前よりもお金がかかるようになったから」は、3年連続で割合が増加している。
《今後のパチンコ・パチスロの継続意向・意向理由》※前年からの大きな傾向差はない
“継続意向あり” (「とてもそう思う」「そう思う」の回答者)は57.8%、3年連続で増加している。続けたい理由としては、 3年連続で「機種が面白いから」「遊びたい機種が多いから」が上位。引き続き、遊技機の面白さが遊技のモチベーションに繋がっている傾向が見られる。
◆パチンコ・パチスロに対する評価や要望など
《あなたにとってのパチンコ・パチスロとは》
2023年度と比較して「1番ではないが大事な楽しみ」「なくても困らないが、あった方がよいもの」の割合が増加している。
《将来パチンコ店にあったら便利だと思う施設・サービス》 ※前年からの大きな傾向差はない
「キャッシュレスで遊技できるシステム」の割合が最も高い(3年連続同傾向)。
《交換する景品に求める要素》※前年からの大きな傾向差はない
「全国のコンビニの商品と交換できる引換券」が最も高く、「自宅にいながら、インターネットで景品を選んで交換できる」が続く(3年連続同傾向)。
《社会貢献活動に対する認知》※前年からの大きな傾向差はない
「ゴミ拾い」が最も高い(2年連続同傾向)。社会貢献活動を知った場所について、「ホール店内告知」が最も高く、「ホールHP」「ネットニュース」が続く(2年連続同傾向)。
《災害対策活動に対する認知》
「災害時における緊急避難場所」が最も高く、「災害備品の提供(食料や飲料)」「災害時における立体駐車場棟の開放(水害対策)」が続く。
《パチンコ・パチスロ依存問題に対する告知・表示認知状況》※前年からの大きな傾向差はない
「リカバリーサポート・ネットワークの相談窓口告知ポスター(またはステッカー)」「18歳未満立入禁止」が“見たことがあるもの”“内容を知っているもの”共に上位。(3年連続同傾向)。
◆スマート遊技機経験率
《スマート遊技機経験》
スマートパチンコの遊技経験率は65.0%、スマートパチスロの遊技経験率は63.7%。前年度との比較ではスマートパチンコは16.3pt、スマートパチスロでは12.3ptの増加がみられる。
《スマート遊技機経験理由・未経験理由》
スマートパチンコの経験理由は「玉に触らなくてよくなったから」が最も高く、未経験理由は「好きな機種・遊技機がないから」が最も高い。スマートパチスロの経験理由は「メダルに触らなくてよくなったから」が最も高く、未経験理由は「複雑で難しくてよく分からないから」が最も高い。スマートパチンコ・パチスロに共通して、玉やメダルに触れなくていい点が魅力として大きい。
《スマート遊技機認知状況》
未経験理由のうち、それぞれ「スマートパチンコを知らなかったから」は12.3%、「スマートパチスロを知らなかったから」は13.3%。どちらも2023年度と比較して減少しており、認知率の改善がみられる。
◆スマート遊技機経験別の傾向
《スマート遊技機経験:性年代別》
スマートパチンコ・パチスロに共通して、遊技経験者は「男性20代以下~40代」が5割を超える。男性の遊技経験者は遊技未経験者と比較して若年層が多い。
《スマート遊技機経験別:ホールへ行く頻度/1日あたりの平均使用金額》
ホールへ行く月平均回数では、遊技未経験者は遊技経験者と比較して「ほぼ毎日」の割合が高い。1日あたりの平均使用金額では、遊技経験者は遊技未経験者と比較して“1万円以上”の割合が高い。
《スマート遊技機経験別:ホールへ行く頻度の前年比較》
ホールへ行く頻度の前年比較では、スマートパチンコ遊技機経験者は「前年よりも減った」が31.5%、遊技未経験者は19.4%。スマートパチスロ遊技経験者は「前年よりも減った」が31.4%、遊技未経験者は19.9%。スマートパチンコ・パチスロに共通して、遊技経験者は遊技未経験者よりも「前年よりも減った」割合が高い。
《スマート遊技機経験別:今後のパチンコ・パチスロの継続意向》
“継続意向あり”(「とてもそう思う」「そう思う」の回答者)はスマートパチンコ遊技経験者が57.2%、スマートパチンコ遊技未経験者が58.8%、スマートパチスロ遊技経験者が57.0%、スマートパチスロ遊技未経験者が59.1%。※2023年度では遊技経験者の方が“継続意向あり”の割合が高く、2024年度では逆転している。
《スマート遊技機経験別:今後のパチンコ・パチスロの継続意向理由》
継続意向の理由として、スマートパチンコ・パチスロに共通して、遊技経験者は「機種が面白いから」「遊びたい機種が多いから」が高い。一方、スマートパチンコ・パチスロに共通して、遊技未経験者は「店員の対応、態度がよいから」が最も高い。※2023年度に引き続き、遊技経験者は“機種に対する評価の高さ”が、遊技未経験者は“ホールでの居心地の良さ”が継続意向に繋がっていることが伺える。
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