警察庁生活安全局保安課は4月、「令和5年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」を発表した。
それによると、ぱちんこ等営業(4号・まあじやん営業、ぱちんこ営業、その他)の許可数は継続して減少しており、令和6年末の許可数は1万3310件と、前年比596件(4.3%)の減少。ぱちんこ営業の許可数も継続して減少しており、ぱちんこ遊技機設置店が6238件(前年比402件減少)、回胴式遊技機等設置店が468件(同25件増)の計6706件と初めて7000件を割り、前年より377件(5.3%)減少した。
平成30年にはまだ1万件を超えていた件数(1万60件)が、この6年で3000件以上減少し、35%を超える店舗を失ったことになる。前年度のレポートで「2025年7月の改刷対応での店舗減少が危惧される中、次年度は7000件を割り込むことも想像に難くない」と指摘したが、現実のものとなった。
また遊技機の備付台数等の推移では、ぱちんこ遊技機の備付台数が196万9913台と前年比10万7728台(5.2%)の減少で初めて200万台を切った。一方で、回胴式遊技機の備付台数は135万5839台の同8373台(0.6%)の微増で、減少基調から脱却した。スマートボール等139台を含む総備付台数は332万5890台と、前年より9万9356台(3.0%)減少した。令和2年には400万台を維持していた遊技機市場がここ4年間で70万台近く減少し、約18%と、2割近く縮小したことになる。
なお、1店舗あたりの備付台数は毎年増加しており、496.0台と前年より12.4台増加。令和1年(435.3台)からは約60台増え、500台に迫りつつある。
ぱちんこ遊技機等備付台数別の営業所数の構成比推移を見ると、全体数が減少するなか、1001台以上の店舗数が399件と前年比24軒増加した以外は、すべて減少している。とりわけ101台から300台のカテゴリでは、令和1年まで3000件を超えていたのが、令和4年には2000件を割り、今年は211件が減少して1419件と1500件を下回った。5年前の約半数という大幅な減少となっている。
ちなみに、台数別の営業所の構成比は、300台以下が25.1%(前年比1.8ポイント減少)を占めるなか、500台以下の構成比が59.2%と前年の61.6%より約2.4ポイント減少。101台から300台のカテゴリでの減少傾向が響いた結果となった。一方、店舗の大型化が進む背景で1001台以上が全体の約6%を占め、501台以上は40.8%と前年より2.4ポイント増加し、全体の約4割を占める状況にある。
なお、風俗営業者等に対する行政処分の状況において、ぱちんこ等営業(4号・まあじやん営業、ぱちんこ営業、その他)の行政処分件数は180件と、前年比28件の減少。また今回、ぱちんこに関する主要処分事例の掲載はなかった。
補足だが、今回は文書の冒頭にトピックスとして「悪質ホストクラブに対する取締り等の状況」「オンライン上で行われる賭博事犯の取締り状況」を掲載。後者については、当該賭博事犯が令和2年から令和5年まで10数件でとどまっていたのが、令和6年には49件増の69件まで増加していることなどを示した。
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