一般社団法人日本遊技関連事業協会(日遊協、西村拓郎会長)は11月30日、東京都中央区の本部会議室において令和5年度第4回定例理事会を開催。理事会後に記者会見を開催し、西村会長、御手洗伸太郎専務理事、浜田昭文常務理事らが出席した。
西村会長はあいさつで、沖縄県のリカバリーサポート・ネットワークを訪問したことに触れ、「業界を挙げて依存対策に取り組んでいくという姿勢を強く感じている」とし、「我々の産業にとっては大事な案件。日遊協としても引き続き、精力的に取り組んでいく」と意気込んだ。
その後、御手洗専務理事から理事会の報告があった。承認案件では、「新規入会会員の承認に関する件」で福岡にある販売会社1社の入会申請に対して承認した旨、報告。報告事項では、講談社「mi-mollet」サイトへの対応について、一部に事実誤認の内容があったため申し入れを行ったこと、新経営者会議が10周年を記念してパネルディスカッション等を行ったことを伝えた。
なお、すべての報告事項は以下の通り。「講談社mi-molletサイトへの対応について」「自己申告・家族申告プログラムの推進状況」「広告宣伝検討会の審議状況について」「遊技機取扱主任者に関する規程及び実施要領の一部改正について」「新経営者会議(10周年)の開催結果について」「令和4年度に関する ダイバーシティアンケート(結果概要)」「パチンコプレイヤー調査2023調査報告」「遊技業界データブック2023ver.03公開について」「令和6年1月加盟団体・定例理事会及び新年祝賀会について」。
記者会見の質疑応答では、前述の「mi-mollet」の詳細を求める質問があり、これについては、乳幼児の車内放置事故とパチンコを関連付けた内容に事実と反するものが確認されたため、質問書を10月24日付けで送付したことが報告された。また、これを受けて現在は記事内容が修正されているとした。
このほか、自己申告・家族申告プログラムに関する質問に対しては、10月末現在で業界全体では自己申告プログラム85%(日遊協では100%)、家族申告プログラム80%(日遊協では100%)と報告。広告宣伝検討会の審議状況については、「現在、ガイドラインの第2版リリースに向けた改訂作業とあわせて新たな質疑書をまとめており、業界の中では同意が取れている状況。ガイドラインのリリースに関してはまだ調整に少し時間が掛かるが、最終段階には来ている」と説明した。
2024年問題の進捗への質問も挙げられ、これに対しては「遊運協より進捗状況の報告を受けており、理事会でも前納品ができるようになる等、報告はした」とし、「業界として問題はないが、遊技機の保管について各ホールで環境が異なることから、ホールそれぞれで業者と話し合いをして対応することになる」と述べた。
また、改刷への対応については、業界全体の問題であるとし、「いまは話が出てきていない。状況を把握して、日遊協が為すべきことがあれば協力していく」(西村氏)と、進捗を注視している現状を伝えた。
加えて、日遊協がかねて軸となり取り組んでいるキャッシュレス化の取り組みについて進捗を問う質問があった。これに関しては「前回から進捗がないという非常に残念な現状」(西村会長)としつつ、「周りとの調整が必要なことで、一筋縄ではいかない。独自のパチンコPayのようなものを作るのが良いのか、PayPayなど外部の既存のものを使うのかも決まっていない状況」と述べ、不要という声も一定数ある現状で、「越えなければならない壁が幾つもある。時間が掛かる案件」とまとめた。
ただ、世の中のDX化の流れの中で、これに沿って業界も変化する必要性に触れ、「賛成派、反対派それぞれの権利を侵害しない方向で検討を進める必要がある」と前置きしつつ、利便性を高める、依存対策の強化、選択肢を増やすという視点で、調整を進めていきたいと強調。しかしながら、不確定要素が多すぎて、現段階でメディアに公表できる情報がないことを伝えた。
これらのほか、次代を担う人材の育成を目的に実施されている新経営者会議の10周年に関する質問に対しては、10月30日にサミーの協力を得て宮崎のシーガイアで第30回会議を開いたこと、10周年を記念しPOKKA吉田氏(弊紙編集長)をファシリテーターにディスカッションを実施し遊技業界の今後について有意義な意見交換をしたことが報告された。また、西村氏は「これからの業界を担う人材を育てていくために、充実した会議やコミュニケーションを重ね、参加者を増やしていきたい」と意欲を見せた。
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