ダイコク電機(名古屋市中村区)は7月11日、「DK-SIS白書2024年版‐2023年データ‐」の刊行記者発表会を東京都文京区の東京ドームホテルで開催した。DK-SIS白書は、2004年の創刊から今回で21冊目の発刊となる。
DK-SISとは、同社が提供する情報戦略システム。現在、遊技機台数で141万台強と市場の約40%のデータを保有し、遊技業界がどのように動いているのかを実績データで見ることができる。
当日は、柏森雅勝代表取締役社長が主催者あいさつに立ち、「DK-SIS白書は21冊目の発行となる。今年発刊するものは2023年の動きだが、白書は単なる記録ではなく、去年のデータから変化、動きを捉えて今後に生かしていくという趣旨のもと発行されている」と、その存在意義に言及。「2023年を振り返ると、いろいろな変化が形づくられ、大きく花開いていった年かと思われる。機械の動きの中では、スマートパチスロが話題になり人気を得て、シェアを拡大していった。スマートパチンコは当初、新たなジャンルの登場というところにとどまったが、今のラッキートリガーという動きを見ていると、新しい、面白いとの評価を得てファンが動いている。そういう話題が確認されるなか、一歩退いて全体の動きとして見るとどんな変化が起きているのか、そういうことを明確にしていくための白書である」と説いた。
続き、MG推進部SISプロフェッショナル首席講師の片瀬宏之氏が、記者発表資料をもとに白書の概要説明を行った。
冒頭、<DK-SIS保有データ規模とSIS台数シェア>について、保有している台数規模自体は約140万台強とし、「業界では店舗数、台数ともに減少しているが、弊社会員の数値より市場の総設置台数の減り方のほうが大きいため、DK-SISが持つ設置台数のシェア自体は前年比1.4ポイント増加し、初めて40%を超え、41.1%となった」と報告。また、「会員には大手や有力ホール法人が多い背景から、売上規模に関しては業界全体の50%を超えている。粗利規模に関しても、2023年に初めて50%を超えた」と伝えた。
このような背景からDK-SISでは、高い台数シェアにとどまらず、売上・粗利ともに市場の50%を超える数値を用いて業界全体の動向を予測しており、そのデータの精度およびデータ分析における高いスキルを誇っている。
次に、「DK-SIS白書2024年版」の業界キーワードとして、<業界総粗利・遊技機利益規模が回復/5%以上の上昇は東日本大震災後からの実に11年振り><スマート遊技機の導入が進むもP・Sで温度差が見られる/パチンコ→パチスロの工事が進む><4円パチンコの遊技時間(アウト)が過去最低を記録><パチスロ業績が大幅に回復・スマートパチスロが業績を牽引>の4項目を掲示。
<スマート遊技機の導入が進むもP・Sで温度差が見られる/パチンコ→パチスロの工事が進む>については、「スマートパチンコは非常に好調で2023年の業界全体の業績を牽引した一方で、スマートパチンコに関しては、2023年は良い機種もあれば、そうでない機種もあるなか、スマートパチスロほど市場の熱が上がっていない状況を見せた」としつつ、「ただ、今年に入ってからは、市場で評価を得たラッキートリガー搭載機やスマートパチンコにしか搭載できない機能を持つ機種が続々と登場してくる。業界としてはこれらスマートパチンコで、パチンコ全体の業績回復に期待するところではある」と述べた。
また、<4円パチンコの遊技時間(アウト)が過去最低を記録>に関しては、「2年連続で業績回復していたパチンコが予想通りの結果になった」と遺憾の表情。「この白書の発表会やセミナーで指摘してきた通り、このまま高い玉粗利を取り続けると、一過性のパチンコ右上がりになってしまう」と警鐘を鳴らしてきたことに触れ、「この2年間、パチンコはただ粗利を取るだけで業績も上がっていた。それは6号機があまりにも面白くなかったために、ファンがパチスロからパチンコに移動していたから。この隙に、適正粗利の運用でパチンコにファンを付ける努力をして欲しいと訴えてきたが、それができていない結果、パチスロの業績が良くなると同時にパチンコの業績がまた下がってしまうこととなった」と、過去最低の数値を招いた原因を指摘した。
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