九州遊技機商業協同組合(岩下卓世理事長)は5月30日、福岡市博多区のホテルオークラ福岡で第35回通常総会を開催した。
組合員総数129名のうち、本人出席が81名、委任状出席が31名、合計112名の出席で、総会成立が報告されたあと、冒頭のあいさつで岩下理事長は「長引くコロナ禍で業界は、店舗数や参加人口の減少という近年の構造的な課題が据え置かれる一方で、スマート遊技機についても、導入面での設備投資格差が店舗間格差を助長する状況にある」と述べた後、組合の中古機流通台数、認定申請件数が前年比でそれぞれ65%、31%と減少していることを踏まえ、「苦しいなか、一部業者では、過度なダンピングに踏み切るケースも聞かれている。ただ、このような行為は、点検業務の不履行にもつながりかねず、安心安全な遊技機の流通促進という目的からは逸脱する行為でもある」と警鐘を促すとともに、社会に対する信用を得ることへの理解を示した。
総会では8つの議案が上程され、すべて原案通り可決承認された。任期満了に伴う役員改選では新理事長に國分寿人氏を選任した。國分新理事長は「遊技機や設備を扱うわれわれにとっても、厳しい環境下、難問は山積している。相互扶助の精神のもと、執行部としても皆さんと一丸となって問題解決に取り組んでいきたい」と与えられた2年間の任期に思いをはせた。
続き、来賓祝辞では、福岡県警察本部生活安全部生活保安課の中村健一課長が、コロナ禍を経て、中古遊技機の流通が活発化されることを踏まえ、不正遊技機の流通防止、中古遊技機流通の健全化、使用済み遊技機の適正処理に向け、各々の立場に立った自覚と責任のある行動の遵守を促した。また、ぱちんこを娯楽の一つとして楽しむ一方で、依存症問題については、「官民連携で予防や支援体制の整備に重点を置き取り組みが求められている」とし、組合員への更なる理解と支援を求めた。また、九州地区遊技業組合連合会の松尾道彦会長は「コロナ禍の困難な状況を経験し、社会や経済の変革も進んだ。その後には、以前よりも強い社会、そして個人が存在する世界が広がっている。われわれもスマート遊技機時代という新たなる遊技機環境のもと、今までの固定観念を払拭しながらも、今一度、手軽で身近な遊びを提供する娯楽という原点に立ち、お客様第一で行動していかなければならない」と新時代を切り拓く決意を、あいさつに込めた。
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