CSRは「Corporate Social Responsibility」の略で日本では「企業の社会的責任」と訳されるが、サスティナビリティ(持続可能な発展)という観点から社会的公正や倫理性、環境対応等、広範な企業の責任を指す。
1992年の国連環境開発会議で、環境と開発に関する「リオ宣言」が採択されたが、この宣言のキーワードは「サスティナビリティ(持続可能な発展)」であり、これに基づき「在るべき企業経営における経営戦略」としてCSRが開発された。
CSRは具体的には企業の活動に社会的公正や倫理、環境への配慮などを取り入れ、ステークホルダー(企業と何らかの利害関係を有する主体=顧客、株主、従業員、取引先、地域社会、求職者、投資家、金融機関、政府等)に対して責任ある行動を取ることを指す。
CSRの定義自体は、企業の属する社会や市場により為すべき内容が異なるため一概には定め難いとされているが、世界35ヶ国の主要な国際企業が加盟する「持続可能発展のための世界経済人会議」では「企業が従業員、その家族、地域社会、そして社会全体の生活水準の向上のために、これらのステークホルダーと協働しながら、持続可能な経済発展に貢献すること」と定義付けられている。
CSRへの取り組みは“マルチ・ステークホルダー・エコノミー”という新たな時代を背景に、企業と何らかの利害関係を有するステークホルダーに対し、自らの持続可能な発展に向けた責任ある活動を行うことであり、この実施は広い意味での企業利益の創出や企業価値の向上に繋がると認識されている。
遊技業界においても、産業・企業の存続を鑑み、これに対する研究および積極的な取り組みが当然求められている。健全な娯楽を人々に提供する“日本独自のアミューズメント産業”をプロデュースする企業としての誇りを持ち、次世代エンターテインメントとしての確固たる地盤を築くことが望まれる。
(氷室あずさ)
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