篠原教授が「ギャンブル等依存に関する実態調査」の問題点を説明

 一般社団法人日本遊技関連事業協会(日遊協、西村拓郎会長)は916日、第3回定例理事会およびこれに伴う記者会見を東京都中央区の協会本部を拠点にオンラインで開催。当日は諏訪東京理科大学教授の篠原菊紀理事も臨席するなか、厚生労働省による令和2年度依存症に関する調査研究事業「ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調査」の報告書(久里浜医療センター作成)に関する問題点の説明があった。

 まず、篠原教授は久里浜の依存調査における根本問題について、「久里浜の調査ではSOGS5点以上)の人をギャンブルの疑いがあるとしており、その割合が2.2%で、そのうち最もお金を使ったのが男女ともパチンコ・パチスロであると報告した。この点が遊技業界に関係するところでは一番大きなポイントと思われる」と指摘。ただ、この点に関しては、「すでに我々はパチンコ・パチスロの場合に適切なカットオフ値を検討する研究をしてSOGS78点が適切であろうということになる(Shoun2018論文)」とした。

 しかも「SOGS78点というのはかなり幅広い定義というか、ギャンブル等依存症の疑いを持つ人を非常に幅広く見ているラインの話であることも研究で明らかになっている」と説明。久里浜の話はギャンブル等依存症対策基本法におけるところの依存疑いというのではなく、非常に広範なリスクスクリーニングの結果であると読むのが適切であると伝えた。また「臨床的に意味ある苦痛や障害」を別軸で調べて和集合云々でギャンブル等依存症問題、ゲーム障害問題を扱っていく研究が必要であり、「今後、遊技業界でもこのあたりを調べていく必要があると考える。この辺が根本問題だと思っている。このような根本問題があることを、業界関係者には理解していただきたい」と呼びかけた。

 そのほかの問題として、報告書にはギャンブル等依存を疑われる者にうつや不安が多いということが横断調査で示されていることを挙げ、「うつ、不安というのはむしろ原因、それを持っているともっと憎悪していくだろうというふうに見るのが妥当と考える」との見解を示し、「我々が社安研等で行っている縦断調査では、不安・うつがギャンブリング障害を憎悪させる、もしくは憎悪した段階では双方向に働くというのが、この23年の調査で出ている」と補足した。

 続けて、「厚労省のキャンペーンとして「依存症は本人の責任ではない・誰でもなり得る」を普及させたいらしいが、ここも誤解を生むため説明したい」とし、「むしろギャンブリングを自分で止めることができない」という認知の歪みがパチンコ・パチスロでの障害疑いを増悪させると警鐘を鳴らした。その上で、遊技業界としては「自己責任で遊びましょう」ということの普及こそが予防的だと考えられると伝え、業界関係者がこのような共通意識を持つことに期待した。

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