MIRAIぱちんこ産業連盟(MIRAI、東野晶一代表理事)は2月16日、第4回MIRAI公開経営勉強会を開催し、会員・会員以外あわせて256名が参加。講師にはアイリスオーヤマの大山健太郎会長を迎えた。
開会に先立ち、東野代表理事があいさつ。「業界内から学べることも多々あるが、他業種から学ぶことも多い。明るい未来に向けてリスタートを切る契機にしたい」と述べた。
冒頭、アイリスオーヤマという企業を知るための動画を視聴。その後、大山会長が登壇し、まず、「製造業である同社とパチンコホールでは業種の違いがあるように見えるが、エンドユーザーの満足を追求するという“ユーザーイン”の観点で弊社とサービス業の皆と思いは同じだ」と主張した。
その後、企業の歴史を振り返り、会社を引き継いで2年後、会社の将来を考えたときに下請けではダメだという発想にたどり着き、自社商品を作り出した。それがヒットし、一次産業に根差した資材メーカーとして会社も大きくなっていったと経緯を説明。ただ、身の丈に合った事業が大事だと指摘した。
20代の頃のビジネスモデルは自社の得意とするものを作って売るプロダクトアウトであり、製造業では業界ナンバー1のシェアを取ることが大事だと考え事業を展開してきた。ところがオイルショックに見舞われ、たった2年で債務超過となり倒産寸前まで追い込まれた。そこで別の市場に活路を見出すべく動き始め、試行錯誤の末に生活の中で不足不満を見出し、それを解決する商品を提供することにたどり着いた。その最初が園芸であり90年代の園芸ブームをけん引、次にペット商品、生活用品で次々とブームを起こしてきた。
アイリスオーヤマは、安くて良いものが喜ばれる背景で“会社の目的は永遠に存続すること。いかなる時代環境になっても利益を生み出すこと”を企業理念の第一に掲げるなか、市場変化に敏感に反応し、動向に柔軟に対応するスタンスで会社を大きくしてきた。「我々は足し算はしない、ユーザーインでものを考える。メーカーベンダーとして適切な価格で商品を売る中で、最初に買いたい人の値ごろに価格を設定し、引き算で利幅や管理費を引いて計算することで売上を伸ばしてきた」と大山会長。徹底して内製化しコストの無駄を省き、リスクを取ってコストを下げることで企業の成長を促し、成功に導いたとした。
最後に、「あまり同業者のことを見ない、過去を見ない。そこにいるお客様の不満不足不便というものを真剣に考えたら、答えはすべてお客様の中にある」と強調。「本当にお客様のために何をするのかと考えたら、このサービス業も大きく変わると思っている」と助言した。
講演の後、金光淳用副代表理事は「(我々のビジネスで)ユーザーインの視点で行き届かないところがあるかと思う。団体として顧客の不足不満を解消すべく精進していきたい」と締めくくった。
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