「カードユニットと規則改正」(2004年1月16日) 初代編集長 三浦健一
Pくんからメールで指摘。規則等の「交付」と書いてるが「公布」の間違いではないか、官報に記載されて初めて「公布」になるんですよ、というわけ。だから僕は「交付」って書いてるでしょ。ちなみに、国語辞典には、『交付』:役所などが書類(や金銭)を渡すこと。『公布』:広く告げ知らせること。とくに法律で、成立した法令に拘束力を発生させるため、官報などの政府定期刊行物により国民に知らせること。とあります。今回の遊技機基準・規則等の改正に当たって、警察庁が業界に(日遊協、全日遊連など)にその改正条文を提示したのは、このため「交付」です。「公布」は今月30日です。これについては、No.538で国家公安委員会決定事項として報告、書き込んであります。なんて、どうでもいいことなんだけど、間違ってるよと指摘されたみたいな気がしたので。
もうひとつ、ホール役員の方からのメール。規則等が施行になれば、CRユニットの保通協試験の義務がなくなると解釈するが、施行後いま使っているCRユニットは使えなくなるのか、遊技機同様にCRユニットの認定取得が必要なのかという質問でした。カード会社に問い合わせても明確な回答が得られないということです。僕にも明確な答えは出来ません。ひとつに日工組が新たなCR内規を作って、そこでCR機とCRユニットとの定義を示すことで、この質問の意味も霧消してしまうのですが、前回も書いたように、規則別表3の「遊技球等貸出装置接続端子板」の法的な規定がつくられた以上、僕個人の解釈ではこれは明らかに、CRと現金機の格差を無くして、カードサンド及び遊技機とのインターフェイス基板装着を義務づけたものとしか思えません。ゆえにここに「遊技メダル等」を入れて、回胴式も包括した条文になって改正案の変更が加えられているのだと思います。で、みなし機については検定切れ、認定切れの機械をそのまま使用して、変更承認も受けないまま耐用年数が過ぎても営業に供しているのですが、ここでCRユニットの電源を切って現金サンドで稼働させるという「ダブルスタンダード」が問題になったわけです。これを法的に取り締まることができなかったのは、行政が同じダブルスタンダードでCR機を認めたという背反論理からです。全台カードが目標だったのが普及しない、だからCR機を登場させた(法的根拠も担保もありません)、それでカード偽造変造です。行政もドつぼに嵌ったわけですが、このカード行政指導の矛盾を今回の改正ですべて払拭させることが出来るはずです(これも改正の大きな目的のひとつ)。本来の全台カード、インのクリアに戻ることです。14日に開かれた日工組の新年会で、警察庁担当官が「規則等の改正で真のインのクリアを」ということを発言したそうです。ゆえに、現CRユニットをそのまま使用することは可能でしょう。CRユニットのみを認定なんてそんなバカなことが出来るわけがないと思います。もちろん、CR機とCRユニットは遊技機ごとに一体なので、検定切れ及び認定切れの機種のCRユニットは使えなくなります。これが先のダブルスタンダード現象になったことは周知のことです。
3〜5月の改正基準規則等に関する「解釈運用基準」が提示されないことには何も言えません。ゆえにカード会社も即答ができなかったのでしょう。だが、明らかにCRユニットという定義はなくなるのかもしれません。カードサンドです。むしろ現在使用の現金サンド、メダルサンドでの規則にそった仕様変更がされるとすれば、それこそ弱小店舗の負担が増えることになるかもしれません。質問に答えることにはならなかったかもしれませんが、今の段階ではこの程度のことしか僕も答えられません。ご了承ください。ところで本日のFAX情報で流しましたが、みなし機問題、認定作業問題で日遊協が日工組、日電協、全商協、回胴遊商に対し、短い期間内に円滑に作業を進め混乱を防止するための協力要請をおこないました。これは全日遊連をバックアップする上でメーカー、販社の明確な意志決定をはかり、意見交換をしてきちんとしたレールを敷くことを目的にしています。みなし機救済機種選定や認定優先機種、認定作業におけるセキュリティーチェック、諸元表の問題などです。これで規則等改正施行前のいちばん重要な懸案の対応が早まることを期待したいものです。
(二代目編集長オカザキ註)
俺、三浦に間違いだぞとメールで指摘したのだろうか。くだらないことを詳細まで覚えていることが特技の一つである私ですが、この件は覚えておりません。三浦が「Pくん」と呼ぶのは私以外にいただろうか。二人で呑んだりするときは「社長」「岡ちゃん」と呼び合っておりましたから「Oちゃん」ならわかるんですがね。しかし交付を「公布だぞ」と無粋な指摘を三浦にするといえば私の可能性が高いような気もしてきます。これは謎です。私がいずれ向こうに行ったときに本人に直接聞いてみましょうか。でもくだらなすぎて三浦も忘れているようにも思いますが(笑)
三浦は自身の業界記者人生の中で特にプリペイドカード構想について熱心に取り組んでいた人でしたから、後のカード関連の問題にもかなり精通していました。私はもちろん重要視してはいるのですが、遊技機性能とは違うカードユニット関連の問題については三浦ほど詳しくなくて、この点上記で触れている内容について私から補足できるようなことはありません。ただ、全日遊連内ではずっとインのクリアについてかなり詳細な協議を続けていました。プリペイドカード構想→CRという流れを一本道にするのではなく、この前年(2003年)には電子認証システム協議会(認証協)も設立されています。よくよく考えるとプリペイドカード構想からのプレイヤーも参加しているプリペイドシステム協会(PSA)の設立は同年(2004年)ですから、全日遊連発の認証協の方が団体設立は一年早いんですね。
次世代遊技機が来年にもぱちんこパチスロ双方でリリースされる見込みとなっておりまして、ますますユニット職域関連の重要情報が増えてくると思います。かくいう私は今もなお精通しているとは言い難いので、これから少しずつ勉強していきたいと思います。
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