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「ユニコーン」とアウトを競い合う「うまい棒」の本質 <機種別遊ばれ方レポート11月9日号>

「ユニコーン」とアウトを競い合う「うまい棒」の本質

 高速出玉系319ミドルについては、目下「Pフィーバー機動戦士ガンダムユニコーンb」(以下「ユニコーン」)が後続機種を押さえて安定感のある高稼働を維持しているが、稼働ランキングに目をやると10月4日週に登場した「Pうまい棒4500から10500v1」(以下「うまい棒」)が僅かに鼻先を押さえていることが分かる。そこで今回は、「ユニコーン」と「うまい棒」の2機種をピックアップして、遊ばれ方の共通項や違いについてアプローチしてみたい。例によって使用したデータは文末にまとめて掲載している。

<「うまい棒」のアウトは減少傾向も、磐石な稼働安定度>

 アウト推移を確認すると、10月4日週に登場した「うまい棒」は5週目にあたる11月1日週においても「ユニコーン」を上回っているものの、「ユニコーン」はこの時点でリリース14週目となっており、ここではむしろ「ユニコーン」が初期稼働の高さを現在まで維持し続けていることの方が注目される。しかしながら、稼働安定度を示す「1人あたりアウト構成比」を確認すると、11月1日週時点で「ユニコーン」は11.6%で「評価=A(安定)」であるのに対して、「うまい棒」は9.5%で「評価=S(盤石)」となっている。「うまい棒」が記録し続けている10%を下回る「1人あたりアウト構成比」は、リリース直後にお盆商戦を迎えた「ユニコーン」の当時の水準であることから、「うまい棒」の現在の稼働安定度がどの程度のものか実感していただけるのではないだろうか。従って登場週から5週目にかけて約30%のアウトのダウンが確認されている「うまい棒」ではあるが、3週目以降のアウトはほぼ横ばい状態となってきており、この水準を当面維持するものと考えるべきであろう。

<「うまい棒」と「ユニコーン」の「勝ち率・勝ち額」比較>

 ホールコンデータを確認するとこの2機種の「玉単価」は似通った水準に見える一方で、「玉粗利」は明らかに「うまい棒」の方が高い。これを遊ばれ方という観点から確認すると、「勝ち率」では「うまい棒」(10/4週〜11/1週平均=23.0%)が「ユニコーン」(10/4週〜11/1週平均=19.3%)をリードしており、「ユニコーンよりも勝ちやすい」という印象を与えている。しかしながら、「勝ち額」は「ユニコーン」が「うまい棒」に10,000円もの大差を付けており、「 勝てば大きい」という「ユニコーン」の特性が表れる結果となっている。

<「甘デジ」のように遊ばれながらも、「ミドル」級の「勝ち額」が支持されている「うまい棒」>

 遊ばれ方については、さらにプレイヤーによる実際の遊技時間から見ておきたい。両機種の15分以内遊技割合は「うまい棒」が28.2%(10/4週〜11/1週平均)、「ユニコーン」が22.2%(同)、60分以上遊技割合は「うまい棒」が15.6%(同)、「ユニコーン」が19.2%(同)となっていることから、やはり「勝ち額」が大きい「ユニコーン」の方が1人のプレイヤーが長く遊ぶ傾向が確認できる。「高速出玉系319ミドル」の60分以上遊技割合は平均で17%〜18%前後となっていることから、「うまい棒」はこれらと比較するとプレイヤーの粘りに欠けるということになる。ちなみに、11月1日週における「甘デジ」(平均アウト8,000発以上)の13機種の実・遊技時間(平均)は29.8分となっており、11月1日週における「うまい棒」の実・遊技時間(平均)の30.1分とほぼ同じである。このことから、「うまい棒」は「甘デジ」のような遊ばれ方をしながらも、一方では18,530円(10/4週〜11/1週平均)という「勝ち額」を期待されている遊技機であるということができる。

 とにかく、「1人あたりアウト構成比」が低く、盤石の安定感を見せている「うまい棒」は、その独特のゲーム性がプレイヤーに支持されているというのは間違いないだろうが、ともすれば毛嫌いされることもある「役物機」の中では現在のところ大成功を収めている。面白さの分析は遊ばれ方レポートでは触れないが、5週目を終了してすでに累計台粗利は57万円に達していることからも、出荷台数が少ないとはいえ、導入ホールにとっては心強い新機種となったことだろう。また時期を置いて当該機のチェックをしてみたい。

(集計・監修)ワールド・ワイズ・ジャパン市場調査部 https://www.world-wise.jp (データ提供)SUNTAC株式会社 システム横断型業界統計サービス TRYSEM https://www.suntac.jp/

(補足1)本レポートにおける稼働データはSUNTAC社「TRYSEM」の週間客数データを使用

(補足2)1人あたりアウト構成比(%)= 1人あたり平均アウト / 機種平均アウト × 100 :1人のプレイヤーが占める平均アウトへの影響を確認するための指標。多くのプレイヤーにより機種平均アウトが形成されている場合、1人あたりアウト構成比は低くなり、対象機種での遊技をやめた場合の機種平均アウトへの影響が少ないため安定感がある。

(補足3)本レポートにおける稼働安定度指標(パチンコ・1人あたりアウト構成比)=11%以下:盤石、11%〜13%未満:安定、13%〜15%未満:やや安定、15%〜17%未満:やや不安定、17%以上:不安定

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