「規則改正案に対する意見要望(2)」 (2003年11月6日) 初代編集長 三浦健一
日電協が10月24日に警察庁に提出した規則改正案に対する要望意見13項目。あらためて列記すると、(1)17,500回の試射試験のシミュレーションを緩和してほしい(2)AT、ストック機能を認めてほしい(3)17,500回の長時間出玉率の上限を緩和してほしい(4)役物の確率変動を認めてほしい(5)図柄上の確率の規制を撤廃してほしい(6)図柄の入賞率を緩和してほしい(7)一般入賞図柄の小役(フルーツ)をソフト上で自由化してほしい(8)CT遊技の停止時間を緩和してほしい(9)CTを現在のBタイプ(獲得270枚)からAタイプ(獲得420枚)に認めてほしい(10)再遊技図柄の変動を認めてほしい(11)CR機の製造を認めてほしい(12)貯留枚数の上限を増やしてほしい(13)図柄の大きさ及び図柄の数の制限を緩和してほしい。
これに対する警察庁の回答(10月29日)。「ATは認める(現在も認めている)が、規則の制約の中で試験を行なうことになる」「ST(ストックタイム)は認めない」「図柄の数(7種類)は、その数を追加してもよい」「CR機は認めてもよい(改正案に何も規定がない)」「CTの停止時間は、2コマ引き込み可能の表現に修正する」。
10月31日、日電協は警察庁の回答に基づきさらに4項目の要望意見を再提出している。(1)図柄の種類を7種類から14種類に増やしていただきたい(2)図柄の大きさを現行25㎜×35㎜を、12.5×17.5㎜としていただきたい<面積比で現在の1/4程度となった場合、回胴の大きさもある程度自由に設計できる>(3)図柄上の確率に関する規定を変更していただきたい<図柄の組合せ数11~40%を守り、改正案の6項目の削除を要望>(4)CT時のリール停止時間の緩和。
警察庁が再要望で認めたのは最初の図柄の種類を増やすことのみ(11種類を検討する)。とくに24日の要望にある出玉率に関する項目については「論外」。日電協でも「改正案について、その内容を変更しない方針であると推察される」とようやく理解したようだ。なお、改正案の規格の別表第3に規定された不正防止のための規格により、現在日電協メーカーが使っている「外部端子板」、三球電機製のⅥ型集中端子板は認められなくなる。これはIC等の能動素子を搭載したもので、おそらく「遊技の結果に影響を及ぼすおそれのある信号を送信することができるものでないこと」の規定に抵触するためと思われる。
(二代目編集長オカザキ註)
警察庁が同年10月10日に規則改正の条文案を日工組と日電協に配布したときに「要望は直接出せ、パブリックコメントを使うな」という注文をつけています。パブリックコメントは同年11月14日から12月12日までの約一か月間実施されていますが、この頃から警察庁は業界関係者がパブリックコメントを利用することを嫌っておりまして、団体を通じて要望を出すように指導しています。余談ですが4年前に余暇進が規則改正についてのパブリックコメントで重厚な要望書を出しているのですが、これは警察庁が直接要望を受け取るとした団体から余暇進が漏れていたからです。4年前は業界6団体(全日遊連、日遊協、日工組、日電協、全商協、回胴遊商)に対しては直接要望を受け取りましたがそれ以外、特にホール団体である同友会、PCSA、余暇進は埒外となっていました。パブコメを嫌うのは自由ですが、嫌うのなら警察庁が認証している団体の要望は直接聞かねばならないと思いますね。
上記では日電協が警察庁に出した要望を出していますが、これではわかりにくいかもしれません。当時、私は要望内容を簡単にまとめて記事にしていましたのでそれをここで引用しておきたいと思います。ついでに日工組の要望も紹介しておきますね。
日工組
『改正規則等の施行日を4月1日にして欲しい』
『経過措置を設けて欲しい』
『遊技機の種類によらずCRユニットを接続可能にして欲しい』
『主基板検査装置を主基板に直接接続できるようにして欲しい』
日電協
『シミュレーション試験は遊技者の打ち方と同じ方法で行って欲しい』
『AT機能、ストック機能を認めて欲しい』
『17,500回での試験は廃止して欲しい』
『出玉率上限を緩和して欲しい』
『確率変動を認めて欲しい』
『図柄確率規定を廃止して欲しい』
『差枚数方式を認めて欲しい』
『第二種特別役物の停止時間を85msに緩和して欲しい』
『第一種特別役物に係る役物連続作動装置の獲得枚数に関らず第二種特別役物に係る役物連続作動装置を設置できるようにして欲しい』
『再遊技の条件装置の確率変動について、回数で変動するものを追加して欲しい』
『メダルを使用した回胴式遊技機にもCR化を認めて欲しい』
『クレジット枚数を増加して欲しい』
『図柄規制を緩和して欲しい』
これを読むとわかると思いますが、当時は日工組メーカーでパチスロ参入組が増えつつある状況ではありましたが、日工組と日電協とでは明らかに内容が違うというかぱちんことパチスロとのメーカー職域での意見の相違がとても目立っているような印象でした。今年の有利区間3,000ゲームへの緩和について日工組と日電協が協力し合いながら警察庁と交渉していたことを考えると隔世の感もあります。
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