2月7日リリースの5機種のリリース後3週間（21日）終了時点での稼働安定度レポート。本文において使用したデータは文末に掲載している。

　2月7日リリース機（パチンコ）は5機種となっているが、注目は「Pyes！高須クリニッCS2」（以下「高須クリニック）。役物を多用した独特のゲーム性に加えて、「高須クリニック」をコンテンツとして採用しておりその初期稼働が注目される。319ミドルスペックでは「Pルパン三世12H1AZ2」（以下、「ルパン三世12」）と「Pひぐらしのなく頃に〜彩〜FM-N」（以下、「ひぐらし彩」）の2機種が登場。共にテレビCMが積極的にオンエアされたのは記憶に新しい。その他、「PAギンパラ夢幻カーニバルHBA」（以下、「ギンパラ夢幻甘デジ」）、「P刀使ノ巫女MHa」（以下、「刀使ノ巫女」）がリリースされている。本レポートは、これらの機種が導入後3週間（21日）を経過した時点におけるプレイヤーによる遊ばれ方を分析したものである。

　まず、稼働安定度は５機種中で。「ルパン三世12」と「高須クリニック」が共に「A＝安定」状態にあり、引き続き好位置をキープしながら今後も推移することが見込まれている。「高須クリニック」は役物機であるという特性から、やや短時間遊技者比率が高い（「15分以内遊技者比率」が35.5％に達している）状況にあるが、実・遊技人数に恵まれており、突然、極端な悪化に転じることは予想しにくい。

　「ルパン三世12」については、目下絶好調の「P Re:ゼロから始める異世界生活　鬼がかりver.M08」（以下、「鬼がかり」）や「P新世紀エヴァンゲリオン15 未来への咆哮」（以下、「エヴァ15」）を相手に健闘しているが、実・遊技時間平均が導入10週を経過した「エヴァ15」よりも14.1分短く、導入7週を経過した「鬼がかり」よりも7.1分短い。「勝ち額」では「エヴァ15」と肩を並べる状況（３万円台）にあるが、「勝ち率」が低いのがやや気になる。

　一方、「ひぐらし彩」は「ルパン14」に対してやや精彩を欠く状況にある。長時間遊技者比率（60分以上遊技者比率）は20％台に到達しているが「ルパン三世12」よりも僅かに短く、コンテンツファンによる極端な粘り込みがデータからは感じられない。また、「勝ち額」は「ルパン三世12」を9000円近く下回っており、稼働安定度は「不安定（D）」な状態にある。

　「ギンパラ夢幻甘デジ」は「勝ち率」が30.9％で「勝ち額」も7920円を記録していることから、かなりバランスの取れた遊びやすさをプレイヤーに実感させているように思える。稼働安定度は「B＝やや安定」だが数値は13.1％とほぼ「A＝安定」に近い値であることから、こちらも急激な稼働悪化は想像しにくい。

　最後に、「刀使ノ巫女」は遊ばれ方から著しい弱点を見いだせないが、稼働安定度は「D=不安定」となっており、次週以降がやや懸念される。２週目終了時点までは「A＝安定」となっていたのだが、2月21日に同スペック帯でリリースされた「Pフィーバー革命機ヴェルヴレイヴ2H」の登場により急激に稼働の安定感が失われた。目下、319ミドルスペックでヒット機種が誕生する一方で、ライトミドルスペックにおいては長期間安定した軸となる機種をなかなか見出すに至っておらず、ホールの機種ラインナップを検討する上、取り扱いが難しいスペックカテゴリとなってしまっている印象を受ける。

（集計・監修）ワールド・ワイズ・ジャパン 市場調査部　／（データ提供）　SUNTAC株式会社　システム横断型業界統計サービス　TRYSEM

（補足１）本レポートにおける稼働データはSUNTAC社「TRYSEM」の週間客数データを使用

（補足２）１人あたりアウト構成比（％）＝　１人あたり平均アウト　／　機種平均アウト　×　100　：１人のプレイヤーが占める平均アウトへの影響を確認するための指標。多くのプレイヤーにより機種平均アウトが形成されている場合、１人あたりアウト構成比は低くなり、対象機種での遊技をやめた場合の機種平均アウトへの影響が少ないため安定感がある。

（補足３）本レポートにおける稼働安定度指標（パチンコ・１人あたりアウト構成比）＝11％以下：盤石、11％〜13％未満：安定、13％〜15％未満：やや安定、15％〜17％未満：やや不安定、17％以上：不安定